コラム
藍染め遊び
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インディゴの成長は早い。収穫から次の収穫・乾燥へと段取りが間に合わなかったとき思いついたのが藍染めでした。
小浜島出身で藍染め・織りをしている踊り仲間に教わりながら、藍建てを経験しました。120リットルのポリバケツに25キロほどのインディゴを入れ、水を入れて醗酵させます。
ブクブクと藍色の泡が立って醗酵してきたら、 インディゴを絞りながら藍汁を出し葉を取り除きます。
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この藍液に石灰を混ぜ、ボールで高い位置から藍を流し酸素を入れていきます。醗酵したインディゴは最初は藍色です。
- 石灰を入れると黄色になり、さらに撹拌して酸素を含むと次第に黄色から緑へ。
色が紺色へと変化するのと泡が小さくなり落ち着いてきたら、その日の工程は終了。
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撹拌後、藍の色素は石灰と結合しバケツの底に沈殿します。数日して上澄み液を捨てながら沈殿した藍を取り出します。泥藍(藍玉)です。120リットルのバケツからとれるのは、バケツの底に5センチくらいあるでしょうか、ほんのわずか。その作業を繰り返し、泥藍(藍玉)を貯めます。
藍建て:ある一定の量になってから、水を入れブドウ糖、泡盛、苛性ソーダを入れて撹拌し藍が下に沈んでから藍染めをしました。
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藍染め:畑仲間とそれぞれ染めたいものを持ってきてもらい、染めました。
空気にさらすと瞬く間に酸化し発色。緑だった色がさーっと青色に変化していきます。とても神秘的な瞬間です。漬けては絞る、これを数回~数十回繰り返すほど青い色が濃紺へと変わっていきます。
あの小浜島のクンズンや宮古上布のあの黒に近い濃紺は、どのくらい回数を染めたのだろう? 神々しいまでのあの美しさ。数回ではたどり着かない濃紺、藍に魅了され思いを馳せての作業でした。
現在でも小浜島は、この木藍(インディゴ)で、藍染めした糸で織り、クンズンという着物を作ります。島の女性(母・妻・姉妹)から男性へ贈られ、男性はそのクンズンを纏い島の伝統行事に参加します。大切にしたい島の神々しい風景です。そこには植物と人の暮らし、男女・家族の愛、豊かないのちの風景があります。
藍染め遊びは、その藍の愛~を感じるひと時でした。感謝。